2009年12月10日木曜日

研修員論文あるいはケンロンについて(第0.1版)

3ヶ月ほど前まで、私は通称「大きな木」という会社に居ました。

その会社では、総合職として採用された場合、入社後2年間は「研修員」という立場として取り扱われ、入社2年目の終わりに研修員論文(通称ケンロン)を会社に提出し、幹部社員の前で発表することを義務付けられています。

研修員論文には、入社後2年間の業務を振り返り、自分の業務成果について記述します。研修員論文及びその発表資料は、通常一月以上の間、休日及び寝る間を返上して書き上げることになります。今日はこのケンロンの大切さについて書きたいと思います。

そもそも、ケンロンの第一の意義は
部長および部長以上の幹部を納得させることが最も大切な仕事でありそれ以外は無価値である
という大きな木における仕事の本質を理解させることにあります。

「これから作ろうとしているモノが、お客様や市場に必要とされているか」
どうかなんかなんて考えても仕方ありません。そんなことはどうでもいいのです。これから開発する製品が売れようが売れまいが、ただ、幹部達が納得してくれればいいのです(*1)。

これから、あなた達がする仕事において最も大事なのは、
・落ち穂拾い(*2)での幹部への言い訳
・予算を獲得するために幹部をだまくらかす
等々です。

だから、ケンロンを書き上げそして幹部の前で発表するのは、これからあなた達がする仕事の予行演習なのです。それを肝に命じてください。


ケンロンの第二の意義は、大きな木における仕事のやり方を身につけさせることにあります。

総合職研修員という身分である以上、ゆくゆくは
・部下のマネージメントをする
・開発を行う
という雑務を行いながら、上司を説得するという本業を行わないといけなくなります。

つまり、定時(*3)までは前記の雑務を行って、定時後から上司を説得する資料作りをするという立場に後々あなた達はなるわけです。

だから、
「定時までは通常の業務を行い、定時後から研修員論文にとりかかれ」
というのは今後の仕事の予行演習であるケンロンを、より本番に近づけるために行う大変意味のあることなのです。あなた達のための予行演習なのだから、給料がでなくても当然です。

だから、
「ケンロンも業務なんだから、定時前にもさせて欲しい」だの
「ケンロンも業務なんだから、残業代を出して欲しい」だの
訳の分からないことを言ってはだめなのです。

というわけで、ケンロンはこれらの趣旨を正しく理解した人たちだけがやるべきだと思います。

*1:
とある製品の開発において、「これから開発する製品はどうせ売れないから、部品のコストダウンしても意味ないですよ」というロジックで幹部を説得でき開発にとりかかれると部課長達がキャッキャウフフしている現場を目にしました。
*2:リリースした製品で大きな問題が発生した時に、幹部や大勢の社員の前でつるし上げになる行事のことです。
*3:定時とは17時前後に存在する業務時間の折り返し地点です。何故か何割かの社員は業務時間中にも関わらず、帰宅したりします。

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